一番美味しくなる比率
柏屋の「あん」に使う小豆は、実は毎年一定ではありません。
北海道産小豆にはいくつかの品種があり、安定して美味しい、香りが高くきめが細かい、皮が柔らかい、綺麗に炊ける、あっさりしている等、品種によって特徴があります。
また同じ品種でも産地により味や香りは異なり、さらに自然の農産物ゆえ収穫年によっても異なるわけです。
1つの品種や産地に絞るのではなく、数種類を一番美味しくなる比率でブレンド。それにより相乗効果が生まれ、奥深さやコクが加わった「美味しいあん」ができあがります。
その年、最高のあんをつくるために
一年に一度、柏屋にとって大切な日があります。
収穫した小豆の出来から、産地・品種・比率を変えた「あん」の配合を幾通りも試作し、「その年一番美味しいあんとなる最高の配合」を決めるのです。伝統的なお茶屋さんの合組(ブレンドの技)のようなものですね。お客様に自信を持ってお出しするため、なくてはならない工程です。
ちなみに柏屋の170余年の歴史の中で、お菓子を作らなかった時期があります。それは安全で美味しいお菓子を作る材料を手に入れることができなかった時でした。味はもちろんのこと、第一に安全、安心であることが先祖代々から大切に受け継いできていることです。
新鮮な「あん」
自家製あんにこだわることで、搾りたての「生あん」をすぐに砂糖と合わせて「あん」を煉ることができます。そうすると、小豆の新鮮な風味を損なうことなくおいしいこだわりの「あん」が出来あがります。